不動産売却

300万円値下げしても売れなかった家。「さらに値下げ」ではなく賃貸を選んだ理由

いわき市で不動産売却のお手伝いをしていると、「価格を下げれば売れる」とは限らない物件に出会うことがあります。

今回ご紹介するのは、相続した土地と建物の売却をご依頼いただいたお客様のお話です。

約1年間売却活動を続け、何組ものお客様に見学していただきました。

それでも売れない。

そこで私たちが提案したのは、さらなる値下げではなく、**「いったん売るのをやめて、賃貸にする」**という方法でした。

※プライバシー保護のため、物件を特定できる情報や一部の内容は変更しています。

相続した住宅の売却相談から始まりました

ご相談いただいたのは、相続によって取得した土地と建物でした。

建物はきれいにリフォームされており、外壁も塗装済み。

中古住宅として見ても状態は良く、建物そのものに大きな問題がある物件ではありませんでした。

ところが、売却を進めるうえで大きな懸念材料が一つありました。

ハザードマップです。

物件の一部が、土砂災害特別警戒区域、いわゆる「レッドゾーン」にかかっていたのです。

ハザードマップが理由で買取不可に

最初に不動産買取業者にも相談しました。

しかし、結果は「買取不可」。

建物が古すぎるからでも、リフォームが必要だからでもありません。

ハザードマップ上のリスクが、判断に大きく影響していました。

不動産を売却するとき、建物の状態や立地、価格だけではなく、ハザードマップの指定状況が購入判断に影響することがあります。

そこで所有者様と相談し、購入を検討していただきやすくするため、当初の適正価格と考えた金額から約300万円値下げして売り出すことにしました。

問い合わせも内覧もある。それでも売れない

価格を見直したことで、まったく反響がなかったわけではありません。

むしろ、見学を希望される方は何組もいらっしゃいました。

実際に建物をご覧いただくと、

「きれいですね」

「リフォームされていていいですね」

と、建物自体には良い印象を持っていただけます。

ところが、最終的には見送り。

そして、その理由として何度も出てきたのが、

「ハザードマップが気になる」

という言葉でした。

問い合わせがないのであれば、価格や広告の出し方などを見直す必要があります。

しかし今回は違いました。

問い合わせがあり、実際に見学までしていただいている。

それでも、ハザードマップへの不安が最後の一歩を止めていました。

売却開始から1年。「さらに値下げするべきか?」

そうして売却活動を続けているうちに、約1年が経過しました。

当然、次に出てくるのが、

「もう少し価格を下げた方がいいのではないか」

という話です。

不動産が売れないとき、値下げは一つの方法です。

しかし、私はこれまで見送られた理由をもう一度考えてみました。

すでに約300万円価格を下げています。

それでも決まらなかった。

そして、お客様が見送った主な理由は「価格が高いから」ではなく、ハザードマップへの不安でした。

そこで疑問に思ったのです。

「これ以上値段を下げれば、本当に売れるのだろうか?」

価格が原因ではないのであれば、さらに値下げしても、同じ結果になる可能性があります。

大切な不動産です。

「売れないから」という理由だけで、価格を下げ続けることが本当に正解なのか。

一度、売却とは違う方法を考えてみることにしました。

私たちが提案したのは「賃貸」という選択肢

所有者様にご提案したのが、

「いったん売却を止めて、賃貸住宅として貸してみませんか?」

という方法でした。

理由の一つは、数年間でも実際に人に住んでいただくことで、住宅として利用されてきた実績をつくることです。

将来もう一度売却するときに、「実際に人が生活していた家」という事実が、一つの安心材料になる可能性もあります。

そして、もう一つ考えたことがあります。

家は、長期間空き家のままにしておくよりも、人に住んでもらうことが大切なのではないか。

人が生活すれば、窓や扉を開けて換気をしたり、室内の空気を循環させたり、水道や排水設備を使用したりします。

空き家の状態で長期間閉め切っておくのではなく、日常的に人が住み、家を使ってもらう。

それは建物を維持していくうえでも大切なことだと、私は考えています。

せっかくきれいにリフォームされ、外壁まで塗装された住宅です。

売れるまで何年も空き家にしておくより、必要としている方に住んでいただきながら建物を維持していく。

「今すぐ売ること」だけが、この家にとって一番良い方法ではないのかもしれない。

そう考えて、賃貸という選択肢をご提案しました。

もちろん、賃貸にしたからといって将来必ず売却できるわけではありません。

ハザードマップ上の指定がなくなるわけでもありません。

それでも、価格を下げ続けながら売却だけにこだわるより、別の方法を試す価値があるのではないかと考えました。

所有者様にもご理解いただき、売却をいったん止めて賃貸物件として募集することになりました。

賃貸募集に変更すると、すぐに反響が

実際に賃貸住宅として募集を開始すると、すぐにお問い合わせが入りました。

そして、無事に入居者様が決まり、賃貸借契約となりました。

約1年間、売却ではなかなか答えが出なかった住宅です。

それが、

「売る」から「貸す」へ

方法を変えたことで動き出しました。

所有者様にとっては家賃収入につながり、建物にとっても人が住み、日常的に使ってもらえるようになります。

売却だけにこだわらなかったことで、新しい活用方法を見つけることができました。

不動産が売れない=値下げ、とは限りません

今回のケースを通して改めて感じたのは、

不動産が売れない理由をきちんと見極めることの大切さです。

価格が高くて売れないのであれば、価格の見直しが必要かもしれません。

しかし、接道、土地の形状、建物の状態、周辺環境、ハザードマップなど、価格以外の理由で購入を見送られている場合もあります。

その場合、単純に値下げを繰り返すことが最善とは限りません。

売る。

貸す。

しばらく保有する。

条件を整えてから改めて売却する。

不動産には、それぞれ違った選択肢があります。

いわき市で「なかなか売れない不動産」にお悩みの方へ

「不動産会社に任せているけれど、なかなか売れない」

「何度も値下げを提案されている」

「相続した空き家を売るべきか、貸すべきか迷っている」

そんな場合は、一度「なぜ売れないのか」を整理してみることが大切です。

今回のように、値下げとは違う方法が見つかることもあります。

千信不動産では、いわき市を中心に、相続した土地・建物や空き家、中古住宅などの売却相談をお受けしています。

売却だけを前提にするのではなく、物件の状況や所有者様のご希望を伺いながら、賃貸を含めた方法を一緒に考えていきます。

「この不動産、どうしたらいいんだろう?」

そんな段階でも構いません。

不動産には一つとして同じものはありません。

だからこそ、その物件に合った答えを探すことが、不動産会社の仕事だと考えています。

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