1. はじめに
不動産売却の場面で「更地渡し」という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
「更地渡し」とは、売主が土地の上にある建物を解体して、空き地の状態で買主に引き渡すことを指します。住宅用地として買主が新築を建てやすいことから、売れやすさや価格面で有利になる場合があります。
しかし、実は「解体して建物がなくなった=更地」とは限らないのです。
法律上、そして不動産取引の実務上は、滅失登記(めっしつとうき) を行わない限り「建物が存在している」と見なされ、売却活動や契約に支障が出るケースがあります。
本記事では、いわき市で不動産売却をサポートしている千信不動産の視点から、
- 更地の定義
- 滅失登記が必要な理由
- 手続きの流れや注意点
- 更地売却で起こりやすいトラブル
を詳しく解説していきます。
2. 「更地」とはどういう状態?
まず、「更地」という言葉の意味を整理しておきましょう。
- 一般的なイメージ:建物や構築物がなく、平らに整地された土地。
- 法律的な観点:登記簿上に建物の記載がなく、現地にも存在しない土地。
ここで大切なのは、「登記簿上にどう記載されているか」という点です。
たとえ現地で建物を解体して更地のように見えても、登記簿に「木造瓦葺平屋建」といった記録が残っていれば、法的には「建物が存在する土地」と扱われます。
不動産の売買契約や住宅ローンの審査では、登記簿の情報が基準となります。
つまり、見た目が更地であっても、登記簿が更地でなければ「更地売」として成立しないのです。
3. 建物解体と「滅失登記」の関係
3-1. 解体工事の流れ
古家付きの土地を更地渡しで売却する場合、通常は次の手順で進みます。
- 解体業者に見積もりを依頼
- 契約を結び、建物の中の残置物を撤去
- 建物を重機などで解体
- 基礎部分を取り除き、整地して更地の状態に
ここまでは解体業者の仕事です。
3-2. 滅失登記とは?
「滅失登記」とは、建物が物理的に存在しなくなったことを登記簿に反映する手続きです。
法務局に「建物がなくなった」という申請を行い、登記簿から建物の記録を削除します。
必要書類には、解体業者から発行される「取壊し証明書」などがあり、通常は土地家屋調査士に依頼して手続きを進めます。
3-3. 滅失登記がないとどうなる?
- 登記簿には「建物あり」と記載されたまま
- 買主の住宅ローンが下りない
- 「更地渡し」と広告できない
- 売却契約でトラブルに発展するリスク
つまり、滅失登記を終えて初めて「更地売」が成立するということです。
4. 滅失登記をしないと起こる問題
4-1. 広告に「更地」と書けない
レインズやポータルサイトに掲載する際、登記簿と食い違った表記はできません。
建物が残っているのに「更地」と書けば、契約不適合責任を問われる可能性があります。
4-2. 買主のローン審査に影響
金融機関は登記簿を基に審査します。建物が残っている土地だと「古家付き土地」と判断され、ローンの融資が通らないことがあります。
4-3. 税金面のデメリット
登記簿上で建物が残っていれば、固定資産税の課税対象になります。
また「住宅用地の特例」が外れて、土地の税額が上がる可能性もあります。
5. 滅失登記の手続きの流れ
- 解体工事の完了
- 解体業者から「取毀し証明書」や写真を受け取る。
- 土地家屋調査士へ依頼(または本人申請)
- 必要書類を準備して法務局へ申請。
- 法務局で登記簿の建物記録が抹消される
- 登記簿から「建物」が消え、土地だけの状態になる。
必要書類の例
- 解体証明書
- 登記申請書
6. 更地渡しの売主負担と注意点
6-1. 解体費用は売主負担
更地渡しを希望される買主が多いため、売主が解体して引き渡すケースが一般的です。
解体費用は建物の構造や広さによって異なりますが、いわき市の場合、木造住宅で坪3万〜5万円前後が目安です。
6-2. 残置物の処分
家財道具やゴミが残っている場合は、解体費用に加えて処分費用が発生します。
6-3. 測量との関係
古家を解体するタイミングで境界確定測量を行うと、後々のトラブル防止になります。
6-4. 買主の要望による条件
ハウスメーカーによっては、基礎だけ残してほしい、庭石や樹木は撤去してほしい、など条件が異なる場合があります。契約前に要望を確認しておくことが大切です。
7. よくある質問(Q&A)
Q1. 解体したのに、なぜ更地じゃないの?
A. 見た目は更地でも、登記簿に建物が残っていれば「古家付き土地」と扱われます。滅失登記を完了して初めて更地です。
Q2. 滅失登記は誰がやるの?
A. 所有者(売主)が申請人です。土地家屋調査士に依頼することもできます。
Q3. 費用はどのくらい?
A. 滅失登記の土地家屋調査士費用は3万〜5万円程度が目安です。
Q4. 相続した古家でも同じ?
A. はい。相続登記をして名義を自分に変えたうえで、解体・滅失登記をする必要があります。
8. まとめ
- 更地とは「建物が物理的にない+登記簿上にも存在しない」状態。
- 解体しただけでは更地ではなく、滅失登記を完了して初めて更地売が可能。
- 滅失登記を怠ると「広告が出せない」「ローン審査が通らない」「税金が高い」など大きな問題が生じる。
- トラブル防止のためには、解体工事から滅失登記、測量まで一連の流れを見据えて準備することが重要。
いわき市で土地を売却される際には、ぜひ千信不動産へご相談ください。
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