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実家を相続したけど、空き家のままで大丈夫?

いわき市でもよく耳にするご相談のひとつが、「実家を相続したけど、空き家のまま放置していていいのか不安で…」というお悩みです。

思い出の詰まった家だからこそ、すぐに手放す決断は難しいかもしれません。でも、「何もしないまま空き家にしておくこと」が、実は一番リスクが高いということをご存じでしょうか?

このブログでは、空き家にしておくことのデメリットや、いわき市の空き家事情、今取るべき対策について、不動産のプロである千信不動産の目線からお話ししていきます。

放置された空き家が引き起こす問題とは?

空き家をそのままにしておくと、次のような問題が発生しやすくなります。

  • 老朽化による倒壊・火災のリスク
     誰も住んでいない建物は風通しや管理がされず、急速に傷んでいきます。配線の劣化や雨漏りが進めば、火災や倒壊の危険も。

  • 不法侵入や不審者のたまり場に
     空き家だと分かれば、勝手に敷地に入る人やゴミの不法投棄、不法滞在といった犯罪行為につながることも。

  • 近隣からのクレームや苦情
     雑草が伸び放題になったり、害虫が発生したり、外観が荒れると、近隣から「何とかしてほしい」と声が上がることもあります。

  • 資産価値の下落
     建物や土地は、使われてこそ価値があります。管理が行き届かないことで評価が下がり、売却時にも不利になります。

 

実際にあった空き家トラブルの例

ある方はいわき市内の実家を相続したものの、遠方に住んでいて対応ができず数年放置。その間に雑草が伸び、蜂の巣ができ、近所から苦情が来てしまいました。

さらに、玄関の鍵を壊されて中に不審者が入っていた形跡もあり、大急ぎで片付けと修繕をする羽目に。

こうしたトラブルは決して他人事ではなく、「何もしないまま」時間だけが過ぎることで起こる典型的なパターンです。

 

いわき市の空き家は年々増加中

いわき市では、空き家問題が深刻化しています。
最新の調査では、空き家の数は13,020戸にのぼり、そのうち人が住んでいない住宅(居住目的ではない空き家)は7,580戸、さらに腐朽している空き家3,620戸もあると推計されています。

住宅に占める空き家率は12.3%
このまま推移すると、2033年には「5〜6軒に1軒が空き家」になる可能性があるとも言われています。

全国平均よりも高い空き家率を記録している福島県内において、いわき市も例外ではないということです。

 

「特定空家」に指定されるとどうなる?

2015年に施行された「空家等対策特別措置法」により、管理状態が悪い空き家は「特定空家」に指定される可能性があります。

この指定を受けるとどうなるかというと…

  • 市区町村から勧告・命令を受ける

  • 解体や修繕の「指導」が入る

  • 固定資産税の住宅用地特例(1/6軽減)が解除

  • 実質的に税金が6倍になるケースも

つまり、空き家を放置すると、お金の面でも大きな負担になってしまうのです。

 

実家を空き家にしておくメリットってある?

「じゃあ、空き家にしちゃいけないの?」と思うかもしれません。
もちろん、すぐに売るのがすべてではありません。

例えば、

  • 思い出があるから手放せない

  • 子どもがいずれ戻って住むかもしれない

  • 賃貸に出す予定だけど、今は空けておきたい

という事情もあるでしょう。
ただ、そういった場合でも、管理登記だけは早めに済ませておくことが大切です。

 

空き家にしながらもできる「3つの対応」

  • 名義変更(相続登記)を済ませる
     いわき市では、相続登記にかかる費用の一部を補助する制度もあります(最大5万円まで)。これは今だけの支援なので、対象の方はぜひご活用を。

  • 空き家バンクへの登録・相談
     NPO法人いわき市住まい情報センターが空き家バンクを運営し、利活用希望者とのマッチングをサポート。まずは登録・相談会参加からでもOK!

  • 巡回管理や見回りを依頼する
     遠方の方には、定期的に家を見に行ってもらえる「管理サービス」の利用もおすすめです。草刈り・清掃・通風などを代行してもらえます。

 

千信不動産では空き家に関するご相談も受付中

私たち千信不動産では、空き家になっているご実家についてのご相談を随時お受けしています。

  • 相続登記をどうすればいいか?

  • 管理だけでもお願いできるか?

  • 売るべきか、貸すべきか、今は待つべきか?

どんな段階でも構いません。「いま動くべきかどうか」から一緒に考えさせていただきます。

いわき市に根ざした不動産会社として、地域の事情もふまえて、最適なご提案をいたします。

 

最後に:空き家は「放置」がいちばんもったいない

実家を相続したけれど、まだどうするか決められない。
そんなとき、気持ちを整理するのにも時間が必要ですよね。

でも、放置したままにしてしまうと、後から大きな手間と出費に繋がる可能性があります。
「今は使わないけど、いずれは…」というお考えでも、まずは登記や管理、相談から始めてみませんか?

 

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